美容外科は、審美的な目的で治療を行う外科のことで、独立した標榜科(医療法により広告でそれを名乗ってもよいと認可された科目)として認められています。いわゆる見た目を美しくするための整形手術などを行う診療科がこれに当たります。似たものに形成外科と呼ばれるものがあり、お互いに共通性もありますが、こちらは病気や外傷によるものを対象にした診療科になります。そしてよく混同されがちな整形外科については、骨や関節、そして筋肉などの運動器系を扱うものなので直接の関係はありません。

美容外科が他の科と大きく違う点は、基本的に健康保険が適用されないということです。そもそも健康保険は、病気による疾患を対象にしたものなので、美容目的での治療は自由診療(保険外診療)として扱われます。ただし、先天性の病気である母斑や血管腫、そして眼瞼下垂などについては、保険が認められる場合もあります。なので病気によって美容外科の治療を受ける際は、事前に保険が適用されるものかどうかの確認を行う必要があるでしょう。

美容外科で受けられる治療の種類としては、顔に関するものや乳房(豊胸)に関するもの、そして体型(肥満)に関するものなどがあります。顔については、二重瞼などの比較的気軽にできるプチ整形から、鼻の形を整える隆鼻術、そしてシワやシミを取り除く若返り手術などがあります。また他にも、脱毛や育毛といった毛髪に関するものや、ほくろを除去するためのレーザー治療なども行われています。